SP5(セレクタープロファイブ)GC(グアニルシステイン)を使用した薬剤で、複雑なブリーチ&デジタルパーマ毛の癖を頑張って伸ばします!(難易度高め)
その他に注意する点やポイントをまとめましたのでご参考ください(画像はタップすると拡大可)
お客様のご要望
- 癖を伸ばしたい
- できるだけサラサラにしたい
- チリチリをどうにかしたい
- 今後髪質改善していきたい
- 髪が傷みすぎてさらつや改善は諦めているので、可能な限り良くしたい
縮毛矯正・施術前の写真




毛髪薬剤履歴
(縮毛矯正/ストレートパーマ)→未経験
(デジタルパーマ)→約1年前
(ヘアカラー)→ブリーチカラー 2回(インナー全部と表面の髪の半分)
施術前にお客様へ必ずお伝えする内容
最初に必ず「今日できる部分」と「今後の提案」をセットでお伝えし、お互いがちゃんと納得してから進めることが大事です。
薬剤選定
ヘアブリーチとデジタルパーマと癖が混じり合っている髪。毛髪の損傷が激しくチリチリ(ビビリ毛)になっている。
こういう毛髪に通常のアルカリ縮毛剤を使うと、
- 塗っているそばから軟化してしまい焦る
- 1人で安心して塗れない
- 塗り分けが難しい
- 放置時間が読みづらい
などなど。
普段から他の薬剤(中性や酸性の薬)に触れていないと、こういう髪質に慣れていない場合の薬剤選定が分からず、アルカリ矯正をして髪質が悪くなってしまったという声を聞きます。
⚠️アルカリ矯正が悪いわけではなく「髪質に合った薬剤」を選択しましょうという意味です。
薬剤を決める前に「ドライとウエット状態を必ず確認」
ダメージ毛は乾いた状態の場合、意外と張りがあり毛髪強度や体力がありそうに見えますが、髪を濡らすと状態が変わる場合があるので「必ず濡らした髪を見てから」薬剤選定をします。どのくらい親水化しているのか?がポイントです。
ファーストシャンプーは軽く泡立て
シャンプーやりたて以外は軽く泡立てを行い、スタイリング剤でガチガチの髪や根元がしっとりしている髪の方はしっかりとクレンジングして施術をしやすくする。
ウエット状態の毛髪写真




濡らすとパーマも少し戻りドライで見た時よりもテロテロしていますが、まだ張りがありキューティクルがあると予測されるので、アイロン温度に注意してなるべく癖を伸ばします。
毛先やブリーチ部分は薬のスペックを上げてしまうと逝ってしまう気がするので要注意。
この時点でほとんどの人は施術したくないと思っているはずです…
もしこういうお客様が来た場合は今回のGCシリーズを使えば難易度高い髪質にも対応できます。
100%ではありませんが、かなりの確率で失敗は減らせられ次の施術提案へ繋がります。
【薬剤選定】グアニルシステイン(GC)とグアニルシステイン プラス(GC PLUS)
通常とはかなり違う状態なので最低限の塗り分けはします。「インナーブリーチ部分」を基準に上下に分けます。
薬剤は以下の製品を使用します。
(通常はシストリも使用しますが今回はGCのポテンシャルを分かってもらいたいので未使用です)





( 下 )インナーブリーチとデジタルパーマ部分と若干のチリチリ部分

GC+LA10%+E L K各5プッシュ
を毛先まで一発塗り
( 上 )根元〜中間 (ブリーチなし部分)

GCにGC PLUSを( 1 : 2 )
中間〜毛先(ブリーチ部分)
GC+LA10%+E L K各5プッシュ
※(下)と同じ薬
【薬剤選定】への狙いと効果
ブリーチ部分に対して
グアニルシステインにレブリン酸(LA)を10%入れることにより、ダメージ部分にあるシステイン酸に対して架橋効果を出し髪を丈夫にしつつ癖を伸ばします。特殊なレブリン酸によりコルテックスのケアも狙い10%入れています。
(LAを入れ過ぎるとGCが酸に寄り過ぎてしまい、癖が伸びづらくなるので今回はLAを10%)
そこに、ブースター(BT)のE(エルカラクトン) L (リピジュア) K (活性型ケラチン)を添加
ブリーチなしの部分に対して
GCだけだとパワーが弱いので「GC PLUS」をミックスします。
ダメージ毛で細い髪であればGCとGC PLUS( 1 : 1 )でいけますが、今回のお客様は太くキューティクルもしっかりしていますし、20分は放置してじっくり還元できるように最低でもGCとGC PLUS ( 1 : 2 )でアタックします。
1剤の放置時間と加温について
今回は「自然放置」「20分」で還元チェックします。
(不安な場合は5分または10分おきにチェック)
先程も書きましたが、髪にしっかりと還元をさせるのであれば「20分くらい放置できる薬剤選定」にした方が癖が綺麗に伸びますし、焦って流す必要もありません(もちろん最低限の塗るスピードと薬剤選定は必要)
加温についてですが、GCシリーズはアルカリフリーにして薬剤パワーを低い設定にしています。そして、グアニルシステインの効果を最大限出すのであれば、普通のダメージ毛までは加温推奨です。 ただし、ブリーチ毛でテロテロした髪は自然放置です。
1剤塗り終わり


もし放置後に追加で塗る場合が考えられるのであれば、塗りやすい状態で放置しましょう。
1剤・還元チェックとチェックする場所

20分自然放置後に毛束を約5㎜引き出し優しく薬剤を取りながら癖の残り具合をチェックします。
チェックする場所は1番ダメージの高い場所がインナーブリーチ部分なので、そこの還元を1番優先に考えます。
上の還元がまだでも下がOKであれば流さないと最悪なケースになります。
追加で1剤を上から塗布
下はちょうど良い感じでしたが、上部分・表面の毛先に少しウネリとパーマが残っている感じがしたので、流す前にGC PLUSを上から揉み込み1分後に全体をすぐ流しました(ほんの気持ち還元させたかっただけ)
1剤をぬるま湯で流した後にシャンプーは必ず
必ずシャンプーボールの蓋は必ず外しぬるい温度で流します。蓋があるとお湯が溜まり毛先に反応してしまうケースが考えられるのと、暖かい温度で流すと瞬間的に薬剤が反応してしまうので最初はぬるめ温度で流す。あと、濡れている髪はデリケートなので優しくしっかり流す。
1剤の残りはビビリ毛の原因なのでシャンプー剤を使い「もみ上げ」「耳周り」「襟足」はしっかりと洗い流す。
1剤流し後・乾かす前


その時の選定や髪質によりますが、S1とS2にアタックできていればこの時点で収まりはよくなっています。
流し同様に乾かすときは引っ張り過ぎないように優しく乾かします。今回は毛先にもアプローチしているので、クッションブラシで優しくウエットからブローします。かなり優しくです。


乾かし終わり・ストレートアイロンの温度設定


アイロン前でこの状態であれば問題ないですね(安心しました笑)
グアニルシステインやトステアの効果もあり状態も良さそうなので、ブリーチなしの部分は「180度」ブリーチ部分は「140度」で熱処理(アドストワイド・ストレートアイロン)を入れました。(ブリーチ部分は髪の強度によって温度を変えます)
乾かす前には熱ダメージ抑制と操作性を考えSP5ミストとSP5オイルを必ず使用します。


詳しくはこちらをご参考ください https://shuyasugisaki.tokyo/?p=13182
2剤処理とブロム酸と過酸化水素の選び方
このくらいデリケートな場合にはカラー酸化はしません。必ずブロム酸を使いじっくりと酸化させる必要があります。
細かく言えば1剤のpHにより使う2剤を選びます。
過酸化水素の2剤で処理したり、過水の低濃度から酸化をするやり方もありますが、低濃度にしたとしても過水はpHが低く過剰にキューティクルで働く場合があるので、今回は「専用のGC2(特許製法のブロム酸)」での処理がベストです。

2剤の放置時間
専用のGC2(特許製法のブロム酸)」 で15分放置
1剤の反応を止める目的としてはもちろんですが「活性型ケラチンの定着」も向上します。
よって、酸熱トリートメント時にも今回の2剤を使用すると持ちや効果が向上します。
ヘアブリーチとデジタルパーマと癖の混合ビビリ毛に縮毛矯正すると仕上がりはこうなる
仕上がり(ナチュラルドライのみでブラシは未使用)


施術前・後






グアニルシステインなどの効果で髪がかなり綺麗になり、お客様は最初諦めていたのでとても喜んでいました✨👏
ブリーチとデジタルパーマの損傷部分を悪化させずに「可能な限り」癖を伸ばしました。見た目では分かりにくいですが補修効果もあり質感もかなり向上しました✨
インナーブリーチ部分を見ると根元近くのクセはもう少し伸ばせる部分はありますが、神経をすり減らし無理をして状態を悪化させるのはダメ。このようにシビアなコンディションの方は次へ繋がる施術をしましょう。次回根元へアプローチする場合は(GC : GCPLUS) 1 : 1 でいきます。または、薬は同じで根元のアイロン温度を上げて伸ばすかもしれません。
美容師はその場での仕上がりしか感じられませんが「お客様はお家に帰った後に良さや持ちを実感します」その逆も然りです!
薬剤の良さもありますが、冒頭でお伝えしたように今後の髪質改善プランとして「今日できる部分」と「今後の提案」などをちゃんとお伝えしてやることが、私は1番大事だと思っています。
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細かくは実際に見て勉強する方がいいと思いますので、その場合は臨店や集合講習の希望を出してもらえるとサロンまたはお近くのエリアに訪問し技術指導や薬剤についての解説もさせていただきます。