髪質改善という言葉がかなりメジャーになりましたね。
ですが、お客様の認識違いはもちろん、美容師さんの認識や伝え方にズレもあるのが現状です。「癖が伸びる/伸びない」「ケア効果ある/なし」など様々です。
なので、分かりやすくするために一度整理したいと思います。
(新しいメニューが出たらこちらに随時追加更新します。ご質問ありましたらインスタDMにて💡)
髪質改善とは「大きく分けて3つ」
「髪質改善って?」「縮毛ですよね?」「トリートメントは全部同じでしょ?」「よく分からない笑」など色々と聞きます。
髪質改善を分かりやすくお伝えすると、髪質改善という大きなくくりの中に「縮毛・ストパー・トリートメント」などが存在します。
ただそれだと、一般のお客様が予約する時や、自分に何が合っているのか分からず困るので、そんな方のために棲み分けをしました。
髪質改善とは「縮毛矯正」「微還元トリートメント」「トリートメント」の3つ
細かくは美容室によって若干の誤差はありますが、大きく分けるとこの「3つ」になります。
なので、髪質改善と言っても「薬だけを使う場合」「トリートメントだけの場合」「薬とトリートメントの併用」など、施術方法は様々です。
それを理解せず間違った認識で施術をしてしまい「イメージと違った」「失敗してしまうケース」など、新規の方でご来店時に相談されることが多くなりました。
次に、この3つを知らずに起きてしまう「失敗ケース」をご紹介します。
【失敗1】髪質改善トリートメントしたけどシャンプー台でつけただけで、温めたりもしなかった!
今だに多く相談される内容の1つです。
まず、髪質改善トリートメントいうメニューでも「システムトリートメント」または「酸熱トリートメント」を指しているのか、美容室によってバラツキがあります。
大半のお客様は「髪質改善トリートメント」=「酸熱トリートメント」をイメージしていると予想されますが、美容室によっては「髪質改善というワードを使用したいがため」システムトリートメントのメニュー名に髪質改善を入れ込んでいる場合があり、お客様の思う髪質改善と違うとういう「認識のズレ」が生まれているのが現状です。
結果このケースは、酸熱と比べて効果の低いシステムトリートメントをシャンプー台で行ったことになります。(システムトリートメントを否定しているわけではありません)
(ですが、システムトリートメントも髪質改善の括りに属しますので間違いではありません)
【失敗2】髪質改善トリートメントで癖が伸びなかった!
伸びません。細かくは「一時的に伸びたように感じる効果」になります。
正しい酸熱トリートメントの反応であれば、ダメージによって硬くなった髪がストレッチしているようなイメージです🙆♂️
中には、強力な酸の力により強引にクセを伸ばして固めている場合がありますが、それを継続させるといつか髪がチリチリになってしまうケースがあります。(グリオキシル酸単体での酸熱トリートメントですね)
この認識のズレもよくない原因の1つですね。
【失敗3】髪質改善トリートメントで髪色が明るくなった(カラーの色落ちが早くなった)
レブリン酸を使う髪質改善は良いのですが「グリオキシル酸という成分を使う髪質改善」は染めた髪色が明るくなってしまいます💀
こちらに限っては美容師さんも知らないケースもあり…
詳しくはこちら↓
【失敗4】髪質改善トリートメントだと思っていたら勝手に縮毛剤を使われていた
癖を伸ばすには薬(縮毛矯正)が必要になりますが、その縮毛剤を使う説明がなくお客様はトリートメントだと思い施術し「チリチリ」や「パツパツ」になったケースも。
次に、この3つの髪質改善「縮毛矯正」「微還元トリートメント」「トリートメント」を解説します。
1)髪質改善/縮毛矯正
「薬を使いクセを伸ばす施術」で、お客様の髪質に合わせて様々なパーマ剤(還元剤)を混ぜて使います。
縮毛矯正でよく見るネーミング
- ストレートパーマ
- 縮毛矯正
- アルカリ矯正
- アルカリストレート
- 中性矯正
- 中性ストレート
- 酸性矯正
- 酸性ストレート
などというメニュー名が上げられます。
縮毛矯正か向いている髪質
硬い髪
うねりが強い
広がりが強い
縮毛矯正工程
- 1剤を塗布し時間を置く
- 1剤を流すまたはシャンプーをする
- 席に戻り髪を乾かす
- 乾いた髪にストレートアイロンを入れクセを伸ばす
- アイロン終了後に2剤を塗布し時間を置く
- 2剤を流し、最後に乾かして終わり
縮毛矯正について補足
※ストレートパーマをする場合、サロンによっては④の時に乾かしてブローをするだけで、ストレートアイロンを入れないケースもあります。
2)髪質改善/微還元トリートメント
パーマ薬剤(還元剤)とトリートメントを混ぜ、両方の効果を狙った施術です。
微還元トリートメントでよく見るネーミング
- 微還元トリートメント
- 微還元ストリートメント
- ストリートメント
- 酸熱ストレート
- 酸熱矯正
- ケアストレート
- トリートメントストレート
などというメニュー名が上げられます。
微還元トリートメントが向いている髪質
普通毛〜軟毛
アホ毛
少しのうねりや広がり
微還元トリートメント工程
- 1剤を塗布し時間を置く(剤によっては温めて浸透させる場合があります)
- 1剤を流すまたはシャンプーをする
- 席に戻り髪を乾かす
- 乾いた髪にストレートアイロンを入れクセを伸ばす
- アイロン終了後に2剤を塗布し時間を置く
- 2剤を流し、最後に乾かして終わり
微還元トリートメントについて補足
①の放置状況は1剤によって様々ですが、両方のメリットを出すのであれば「温めて浸透可能な薬とトリートメント」の配合がベストですね。
ダメではないですが、もし温められない1剤選定ですとトリートメント剤よりも薬の配合が多い可能性があります。
3)髪質改善/トリートメント
髪質改善トリートメントといっても2つあります。
「システムトリートメント」と「酸熱トリートメント」の2つです。これらは混合されがちですが、この2つは「全く違う反応」をします。
「システムトリートメント」は主にキューティクルのケアを中心にし「酸熱トリートメント」はコルテックスまで浸透しケアをします。
効果的な場所 | サロンメニュー |
---|---|
髪の表面(キューティクル) | システムトリートメント |
髪の内側(コルテックス) | 酸熱トリートメント |
髪質改善トリートメントでよく見るネーミング
- 酸熱トリートメント
- 耐熱トリートメント
- 酸性トリートメント
- 髪質改善トリートメント
- 改善トリートメント
- ケラチントリートメント
- システムトリートメント
- 3ステップトリートメント
- オージュアトリートメント
- TOKIOトリートメント
- オッジィオットトリートメント
- セレクタープロファイブトリートメント
- ムコタトリートメント
- プラチナトリートメント
- 超音波トリートメント
- ケアプロトリートメント
- サミートリートメント
システムトリートメントが向いている髪質
ローダメージ毛
カラー毛
パーマ毛
縮毛矯正毛
システムトリートメント工程
簡単に言うと、クリームとミスト状の物を髪に塗布し温めて浸透させます。
種類によっては2〜7ステップで行い、シャンプー台で施術する場合もあります。
酸熱トリートメントが向いている髪質
ミドルダメージ毛
カラー毛
パーマ毛
縮毛矯正毛
酸熱トリートメント工程
特殊な酸(レブリン酸orグリオキシル酸)を使い、髪の中へ浸透させ最後にストレートアイロンを使い定着させます。
髪質改善/トリートメントについて補足
これ以外にも、サロンが独自に名前をつけてメニュー化しているものがありますが「髪質改善トリートメント」は、大体この2つに分けられます。
髪質改善とは「縮毛矯正」「微還元トリートメント」「酸熱/システムトリートメント」から成り立つ
以上の3つを理解した上で「自分のなりたいスタイル」「今抱えている悩み」に合うメニューを、自分が選択したり美容師さんが提案して施術をするのが理想ですね。
ここまではサロンケアをまとめましたが、これらとは別でホームケアにも髪質改善を使われている商品が存在します。
巷で話題の髪質改善シャンプーってなに?
最近、市販のシャンプートリートメントでも「髪質改善」と謳っている製品が増えました。それは何なのか深堀していきます。
市販のシャンプーにサロンケア成分を入れている
3)で説明した「髪質改善・酸熱トリートメント」で使われているサロンケア成分を、ホームケアに入れ販売しているために「髪質改善シャンプー!プロの成分をお家で再現!」みたいな感じのうたい文句で販売しています。
絶対ダメということではないですが「間違った配合成分」や「濃度が薄い」製品がほとんどです。
目薬みたいに、ほんの少し入れただけでも「髪質改善成分グリオキシル酸配合!」みたいに言えます。
(そもそもグリオキシル酸自体が微妙ですが…)
有効成分も濃ければ良いわけではないですが、効果的な反応をさせるには「最低限の濃度」や「配合バランス」が大事になってきます。
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細かくは実際に見て勉強する方がいいと思いますので、その場合は臨店や集合講習の希望を出してもらえるとサロンまたはお近くのエリアに訪問し技術指導や薬剤についての解説もさせていただきます。